要介護の父が歩けるようになってきた

私の父の話です。要介護1の状態になって早2年、初めのころは何もかもがうまく行かずに本人も家族も苦しみました。
1年ほど前からケアマネージャさんの勧めもあり、デイサービスに通うようになりました。始めは週1か所、今では2か所通っています。どちらも半日のデイで運動系のところです。
 
父はこの病気になったとき、初めに病院で出された薬が合わなかったため、身体が思うように動かせなくなってしまいました。もちろんその薬はもう中止したのですが、中止し段々動きが良くなってきたものの、筋力の衰えもあり上手く歩けなくなってしまいました。
歩くときの姿勢は身体が前のめりになって、足も少ししか前に出せません。手も振ることができません。いくらこちららが口で「手を振って。」「足を大きく出して。」と言っても上手く歩けませんでした。
ところがデイに通ってもう大分経ちますが、最近少しずつ歩き方が良くなってきているように感じます。
特にひとつのデイサービスは「歩行訓練」に力を入れているところです。歩行訓練と言ってもいきなり歩かされるわけではなく、まずは動かなくなてしまった筋肉をほぐすところから始めてくれます。低周波や足の岩盤浴などで身体を温め、また専門の柔道整復師の方が数名いらして老人に無理のないように体を揉みほぐしていってくれます。
 
それをしばらく続けたあとで、ようやく歩行訓練になります。歩くときには専門のストックを持たせてくれます。これは杖に頼って歩くと言うものではなく、歩く姿勢を作るために持つようです。
先日スタッフの方が家に訪ねて来てくださって、ストックの使い方を説明してくださいました。これを持つとどうしても背筋が伸びるようになります。また自然と手を振って歩くことになりますから、同時に足が出てくるようになります。
また私もお借りして歩いてみましたが、なかなか大変で、これを使っていくうちに全身の筋肉を使うようになるそうです。
デイサービスではそのストックを使えますが、家で毎日散歩に行くときにも欲しいなと思って、我が家でもひとつ購入することにしました。
父はそれから毎日普段の散歩でもそのストックを使って歩くようになりました。それまでも毎日のように私と散歩に出ていましたが、ゆっくりゆっくりで、よれよれ歩いていました。
 
ところがこのこれを使って練習していくうちに、足がとても良く出るようになりました。また今までいくらいっても手が触れなかったのに、この頃はストックなしで歩いても、自然と手を振るようになってきています。
認知症になると衰えるばかりというイメージがありますが、ちゃんとした指導の下で運動をしていくと改善することもあるのなかと希望が出てきました。